Claude Code を並列で動かすツールの比較
断っておくと、私はこのページに出てくる MulmoTerminal を作っている側です。中立ではありません。 その代わり、他のツールが優れている点と、自分が試していないことをはっきり書きます。
目次
その前に、いま持っているもので足りるかもしれません
claude agents は Claude Code の 2.1.139 から入っています(Research Preview)。 知らない人が多いのですが、打つだけです。
claude agents
バックグラウンドのセッションを Working / Needs input / Completed に分けて一覧し、 それぞれ1行の要約を出します(対話中のセッションは、バックグラウンドに送ると現れます)。
claude --worktree <名前> も 2.1.49 からあります。worktree を切ってセッションを起動し、 後片付けまでやります。
これで足りるなら、それで終わりです。 何も入れる必要がなく、作っているのはエージェント本体の チームです。以下は「足りなかったとき」の話です。
困りごとは4つのどれか
どのツールも「並列で動かす」はできます。違うのはどこが痛いかです。
| 困っていること | 向いている形 |
|---|---|
| 読めない — 4000字の返答が画面の6分の1に入らない | 複数のライブ画面を同時に |
| レビューできない — ブランチが5本上がってきて判断がつかない | diff 中心・worktree ごと |
| 見失う — そもそも何を頼んだか分からなくなる | ボードやタスクグラフ |
| 隔離できない — 権限を切ったエージェントを本番マシンで走らせたくない | コンテナ(worktree では足りない) |
機能の数ではなく、ここで選んでください。
それぞれのツール
数字は 2026-08-03 時点。この分野は1年で入れ替わります — Crystal は Nimbalyst に改称し、 Terragon は終了、Vibe Kanban の運営会社(Bloop)も 2026年4月に事業を畳みました (プロジェクトはコミュニティ運営として継続)。
Vibe Kanban(★27,500・Apache-2.0)
圧倒的に最大手。 セッションではなくタスクをカンバンでモデル化します。 「何を頼んだか分からなくなる」が主な困りごとなら、この抽象が正しい。モバイルブラウザでも使えます。
運営会社が畳んだあとコミュニティ運営です。半年後に issue に誰が答えるかを気にするなら、 知っておくべき事実です。
Nimbalyst(★1,379・MIT・macOS / Windows / Linux)
旧 Crystal。エージェントの成果物を編集することを中心に置いたデスクトップアプリ (markdown・モックアップ・図)。タスク管理、git 管理、worktree も。
iOS と Android のネイティブアプリがあります。Web ページではなく本物のスマホアプリが欲しいなら ここです。Claude Code / Codex / OpenCode 対応。
Parallel Code(★716・MIT・macOS / Linux)
Super Productivity のメンテナが単独開発。 エージェントごとに worktree とブランチを与え、 diff をレビューしてマージするところを中心に設計されています。 Claude Code / Codex / Gemini 対応。
出てきたものを判断するのが大変なら、こちらの形のほうが合います。
Conductor(macOS のみ・プロプライエタリ)
worktree 隔離と、作り込まれた diff レビュー。Windows と Linux では使えません。
Claude Squad(TUI・tmux + worktree)
エージェントを tmux セッションとして管理します。GUI があるどれよりも軽いので、 ターミナルから出たくない人や SSH 越しに使う人はこちらです。見えるのは1つずつ。
MulmoTerminal(MIT・ブラウザ)
こちらです。複数のライブ端末を同時に並べ、状態を色で示し、待っているセッションがあれば 音とスマホ通知で呼びます。セッションは tmux の中で動くので、タブを閉じてもサーバを再起動しても 消えません。Claude Code / Codex / Antigravity 対応。
賭けているのは「要約しない」ほうです。1行の要約は分類には効きますが、 5体が走っている横で長い返答を読む役には立ちません。
やらないこと: コンテナ隔離なし(Docker サンドボックスは 4.0.0 で削除、worktree のみ)、 ネイティブアプリなし、Gemini と OpenCode 非対応。
機械可読な仕様: facts.json
一覧
| UI | ライセンス | エージェント | モバイル | |
|---|---|---|---|---|
| Vibe Kanban | Web | Apache-2.0 | 多数 | ブラウザ |
| Nimbalyst | デスクトップ | MIT | Claude / Codex / OpenCode | iOS + Android ネイティブ |
| Parallel Code | デスクトップ | MIT | Claude / Codex / Gemini | — |
| Conductor | デスクトップ(Mac) | プロプライエタリ | Claude / Codex / Cursor | — |
| Claude Squad | TUI | OSS | Claude / Codex / OpenCode / Amp | — |
claude agents | TUI | 本体 | Claude | — |
| MulmoTerminal | ブラウザ | MIT | Claude / Codex / Antigravity | Web + push |
同じところに注目してください。 ほぼ全部が OSS で、worktree ベースで、ローカルで動きます。 「MIT だから」「ローカルだから」は差別化ではなく、この分野の最低ラインです。
そして、どれもやっていないこと: エージェントごとのコンテナ隔離。 権限を切ったエージェントを本番マシンで動かすのが不安なら、どれを選んでも解決しません。 devcontainer か VM を下に敷いてください。
選び方
- ターミナルから出たくない → Claude Squad、または
claude agents - 本物のスマホアプリが欲しい → Nimbalyst
- 主に diff を判断したい → Parallel Code、Mac なら Conductor
- タスク自体を見失う → Vibe Kanban
- 走っているものを同時に見たい・ネットワーク越しにどの端末からでも → MulmoTerminal
どれも1分で入ります。6つ読むより、2つ試すほうが早いです。
試していないこと
MulmoTerminal は毎日使っています。他のツールはソースとドキュメントを読んだだけで、 継続的に使ってはいません。上の記述は各プロジェクトの README とドキュメントに基づくもので、 自分の使用経験ではありません。誤りがあれば 教えてください。 直します。